汽水行き

隣の芝生は、すこぶる蒼い

デート、成功。

 

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 結局、水族館に行った。頓挫しかけたけど、なんとか行けた。

 

 緊急事態宣言が解けた東京は、それほど混んでいなかったように思えた。それは、宣言開けだからって浮かれた人が少なかったのか。よくわからないけど、混んでいないのは好都合だった。混んでいる場所は苦手だ。

 

 なんとなく、結果から書いてみよう。パラグラフ・ライティング。

 とても楽しかった。久しぶりに会う友達ということもあって、話のネタが切れることはなかった。大学の話と共通の思い出話でもしておけば、半日の外出なんて、すぐに尺が足りてしまう。

 そもそも、2年間丸々会っていなかったのだから、自分も相手も環境が激変している。少なくとも、僕は話したいことだらけだった。うまく話せていたかな。心配だ。

 ちゃんと次の遊びの予定もとり付けることが出来た。シラフで誘えたなんて、日本酒やビールをがぶ飲みしてお誘いLINEを送ったときと比べれば、とてつもない進歩である。自分に投げ銭をしてあげたい。どこに行くかは何も決まっていないけれど、無難に映画とかがいいのかな。

 

 すみだ水族館って、いいよね。ショッピングモールもあるし、ちょっと足を伸ばせば浅草にも行ける。おまけに、僕ら千葉県民がちょうど行きやすい場所にある。浅草とか押上らへんって、東京でもなんとなく近いなあと思う場所な気がする。千葉に編入したい。逆に、表参道とか渋谷はすごく遠い。

 塩屋さんがあったので、入ってみた。思ったよりも楽しくて、少し周りが見えなくなるくらい見入ってしまった。同行者は全く興味がないようだった。いいじゃんね、抹茶塩とか。

 

 

 少し関係のないことになってしまうのだが、遊びに誘ってからというものの、恥ずかしながらそれまで全くと言っていいほど興味関心を抱いてこなかった「ヘアセット」とかファッションに難儀しながらも挑戦してみたり、スキンケア用品だとか舌クリーナー?みたいなものにも手を出してみたりした。

 自分磨きとでも言うのだろうか。磨きがかかった気は一切しないけれど、なんとか他の人達のスタートラインには立てたかなと思っている。

 当日、とにかく格好に悩んだ。好んで履いているスキニーのジーンズは、何やら「時代遅れ」らしい。それに、好んで履いているスキニーのジーンズと、好んで履いているエアマックスのようにゴツい靴は合わないらしい。

 仕方なく、スラックス?というのかもわからないけれど、少しテーパードの効いたパンツを買って、できるだけ普通になろうと努力した。体細すぎて何着ても似合わんけど。

 美容室に行って1ヶ月ほど経っていた事もあって、髪の毛はもっさりと伸びていた。未だに思春期かと思うくらいおでこにニキビが多発しているので、最近流行っているようなかっこいいデコ出し髪型は実践できない。剛毛過ぎてあんな曲げ方出来ないだろうけど。結局、ここ一ヶ月くらい、バイトに行くときに練習したパーマっぽく見えるセットをして出掛けた。あ、自転車で行くと乱れるから、最寄りまでバス乗った。スンマセン。

  こういうの、お金もかかるし、時間もかかるし、面倒だし。とはいえ、みんなこれを平気でやっているんだと考えて、なんとか飲み込んだ。すごいなあ。 

 

 梅雨ってこともあって少し雨は心配だったけど、この日は降らなかった。運が良かった。

 

 ペンギンって、正義だよね。あれだけが真実。それ以外は歪められ、いいように脚色された偽り。ペンギンの水陸両用な姿を観られるように作られた、大きくて透明な水槽。軍用目的じゃなくて、ああいうものを開発する上で技術革新が起これば平和なのに。

 すみだ水族館のペンギンの相関図をまとめた表も飾られていて、なかなかドロドロとした関係だった。なんか、非嫡出子めっちゃいそう。そんな昼ドラよろしいペンギンの愛憎劇を、お誂え向けのベンチに座りながら眺めた。「幸(コウ)」だった。

 

 

 別に、彼女に恋愛感情を抱いた状態で水族館に行ったわけじゃないから、いい感じの雰囲気になればとか、そういう邪念もとい至上命題は今回は持ち出さないでおく。彼女に対する感情を確かめられれば、と思って誘っただけ。実際に会ってどう思ったかは、まだ内緒にしておきたい。「デート、成功Ⅱ」が発行されたらそういうこと。

 とはいえ、彼女はとてもかわいかった。ファッション用語がわからないためうまく言い表せないのだが、花柄をあしらった紺色の涼しげな羽織物、主張しすぎないイヤリング、きれいに揃えられたショートボブ。かわいかった。これが実際はそんなに可愛くなかったのに可愛く見えていたのだとしたら、確実に盲目的になっているから恋なのだろう。いや、あれは満場一致で可愛かったはず。故にまだ僕は恋をしていない。

 

 もちろん、彼女に対して少し「そういうところ」があったから誘った、ということは否定できないし、「そういうこと」を少しも期待していなかったのかと言われれば嘘になる。「そういう」感情がないと水族館なんて誘うような場所じゃないらしいし。

 「そういう」が何を指すのか、本物のパラグラフライティングだったらわかりやすく書くんだろうけれど、あいにくこれは「純文学」なので。あしからず。

 

 浅草にも行った。バスか電車で行けばよかったかもしれないけれど、道中でお喋りができたのはかなり楽しかった。彼女の靴もスニーカーだったし、まあ大丈夫だろう。歩きながらしゃべるって、なんかいいよね。

 

 隅田川を渡って、雷門をくぐって、仲見世を通って、線香の煙を浴びて、夜。

 お互いお腹が減っていたこともあって、仲見世から一本外れた路地に佇む釜飯屋さんに入った。実はここは、前から気になっていたお店。釜飯には目がないことで知られる、僕。食レポに自身がないので割愛するが、とても美味しかった。釜飯。

 

 ホッピー通りは、まだ時短営業中で9時までしか営業出来ないみたいだった。通った頃には、20時半を過ぎてラストオーダーが終わっていた。お互いお酒を飲める歳だし行けたらよかったなと思いつつ、初遊びでお酒を持ち出すのは正当なムーブなのかもわからなかったから、結果オーライ。

 残念だねーみたいな話をして、東武線に乗って帰った。同じ場所に行くなんて芸がないけれど、次はホッピー通りに行くのもありかもしれないな。

 

 なんとなく、彼氏でもないのに電車で隣に座るのは気が引ける。けれど、一緒にいてかつ席がガラガラなのに座らないで前に立っているなんて不気味だから、結局座った。申し訳ないなと思いつつも、ドキドキしながら北千住までの道のりを楽しんだ。

 

 

 遊べてよかった。誘ったときからリスケまで、一貫して気が狂いそうなほど連絡が少なかったけれど、やはり遊んでしまえば楽しいものだ。

 彼女はLINEの返信が遅いから、また2週間位来ないんだろうなと思うと憂鬱になるけれど、そういうのもアリなのもしれない。

 

 

 ナシだわ。はよこい連絡。